岸田文雄さん首相再登板への布石ですか?…東南アジア訪問・NISA提言など精力的に活動

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 【ジャカルタ=樋口貴仁】自民党の岸田文雄・前首相が内政・外交両面で動きを活発化させている。大型連休中には東南アジア各国の首脳らと会談して「外交の岸田」をアピールし、国内向けには政権時代の看板政策「資産運用立国」実現に力を入れる。その精力ぶりに党内から「首相再登板への布石か」との見方も出ている。

大統領私邸でプラボウォ大統領(右から3人目)と会談する岸田前首相(同2人目)=インドネシア大統領府提供
大統領私邸でプラボウォ大統領(右から3人目)と会談する岸田前首相(同2人目)=インドネシア大統領府提供

 「脱炭素やエネルギー移行について率直な 忌憚きたん のない意見交換を行うことができた」

 岸田氏は5日、前日のインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領との会談を振り返り、自らの外遊の意義を強調した。首都ジャカルタで記者団に語った。

 会談はアジアでの脱炭素化の枠組み「AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)」が主要議題で、両氏はこれを推進していくことで一致した。AZECは岸田氏が首相時代に推進した政策で、思い入れが強い。昨年12月には議員連盟を発足させて自ら最高顧問を引き受けるほどで、今回の外遊には会長を務める斎藤健・前経済産業相のほか、木原誠二・党選挙対策委員長や萩生田光一・元政調会長ら議連メンバーが同行している。

 岸田氏は首相時に当時国防相として来日したプラボウォ氏と会談しており、4日の会談は大統領私邸で夕食をとりながら約2時間に及んだという。

 6日にはマレーシアでアンワル・イブラヒム首相と会談し、同じくAZECの具体化に向けた協力で一致する見通しだ。

 一方、国内向けでも岸田氏は首相時代の肝いり政策の推進に傾注してきた。資産運用立国の実現がその典型で、先月には議連会長として未成年や高齢者向けNISA(少額投資非課税制度)の導入などを求めて石破首相に提言した。在任中に発生した能登半島地震を巡っては、当時の閣僚ら有志による勉強会を作り、復興支援策などについて検討を重ねている。

 党内の地盤固めにも余念がない。旧岸田派議員らとは定期的に会合を設けているほか、3月には岸田政権時代に「三頭政治」と称された麻生太郎最高顧問と茂木敏充・前幹事長と会食した。当面は少数与党で不安定な政治情勢が続くため、党内からは「『もしも』の時に備えているのだろう」との声も漏れる。もっとも、派閥解散を主導した岸田氏には「自民の混乱を招いた責任がある」(閣僚経験者)との声もくすぶっている。

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