ホワイトハウスがゴシップサイト? 異例のアメリカ政権公式ページ

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 5月に入って、トランプ政権が開設した新しいニュースサイトが波紋を呼んでいる。「 ホワイトハウス・ワイヤー 」と名付けられたサイトは、アメリカの政治系ゴシップサイトとして知られる「ドラッジ・リポート」をそっくりまねしたかのような見た目だ。

「ホワイトハウス・ワイヤー」のウェブサイトより
「ホワイトハウス・ワイヤー」のウェブサイトより

 「ドラッジ・リポート」は、大手メディアに先駆けて、クリントン大統領(当時)の性的スキャンダルを報じたことで知られるようになった。白い画面に黒の大文字を使うスタイルが特徴だ。トランプ政権のサイトも同じような画面だが、こちらはドメイン名に「.gov」がつく公式のアメリカ政府のサイトになっている。

 このサイトの存在を最初に報じたのはアメリカのニュースサイト「 アクシオス 」だ。匿名のホワイトハウス関係者の言葉を引用して、「トランプ大統領の政策を支持する人たちが、リアルなニュースを知り、共有することがワンストップでできる場所」と紹介している。実際に、このサイトがリンクしている情報は、どれもトランプ大統領寄りの保守系メディア「ブライトバート」や「FOXニュース」などの記事が占めている。

 トップ記事は、実はニュースですらないことが多い。例えば、「トランプ大統領がウクライナとレアアース交渉で合意」という大文字で書かれた見出しのリンク先は、イーロン・マスク氏の傘下にあるSNSサイト「X」に、スコット・ベッセント財務長官が投稿したものだった。

 まるでニュースのように見せかけたリンク先が、ユーチューブ上で配信したホワイトハウス制作の動画だったりもする。第47代大統領であるトランプ氏に密着したとする「フォーティー・セブン24/7」、「今すぐ視聴:キャロライン・レビット大統領報道官とスティーブン・ミラー大統領次席補佐官による記者ブリーフ」と題したコーナーなどもある。

記者会見する米ホワイトハウスのキャロライン・レビット大統領報道官=ロイター
記者会見する米ホワイトハウスのキャロライン・レビット大統領報道官=ロイター

 「ドラッジ・リポート」の創始者で、かつてはトランプ氏の支持者だったマット・ドラッジ氏は、2020年にトランプ氏から離反したといわれている。ドラッジ・リポートでは、あたかも自分たちのサイトを模倣したかのようなホワイトハウスの公式サイトについて、トップ記事で、もちろん、すべて大文字で、こう伝えている。

 「トランプ氏 公金を使って自らのドラッジ・リポートを立ち上げ」

 アクシオスの取材に対してドラッジ氏は「1兆ドルの賠償訴訟を検討中!」と冗談めかして語っている。(サラ・スキーリー ニーマンラボ副編集長)

 原文は、 DEVELOPING: TRUMP ADMIN LAUNCHES DRUDGE-LIKE “REAL NEWS” SITE

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