【冬の特別編】東北写真館・後編…ドローンから見た「今年」
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冬の特別編として、2回にわたってお届けする東北総局・永井秀典カメラマンの「東北写真館」。後編は「ドローンから見る東北」をテーマとした。近年、物資の輸送や建設現場での

福島・松川浦…震災から復興を遂げた景勝地
福島県相馬市にある景勝地・松川浦。河口部に砂などが
空から見てみると、太平洋と松川浦を隔てるまっすぐな堤防の様子がはっきりと分かる。堤防上には市道が延びており、ドライブやサイクリングにはもってこいである。
東日本大震災では松川浦にも巨大な津波が襲い、堤防の大部分が破壊されるなど甚大な被害を受けたが、地元建設業者や応援の自治体職員らの協力で2018年4月に復旧工事が完了した。
全国有数のアオサの養殖地でもあり、最盛期を迎える冬から春には鮮やかな緑色の
山形・羽黒山五重塔…20年ぶりの輝きを放つ国宝

山形県鶴岡市にある出羽三山神社の国宝「羽黒山五重塔」(高さ約29メートル)で、約20年ぶりに屋根のふき替え工事が行われた。神社によると五重塔は平安時代に平将門が創建し、室町時代に現在の形に再建されたと伝わる。中世の建築様式が色濃く反映された建造物だとして、1966年に国宝に指定された。
屋根は、薄い板を細かくずらして並べる「
福島・中瀬沼…水面に浮かぶ幻想的な紅葉

磐梯朝日国立公園の裏磐梯地区に位置する中瀬沼(福島県北塩原村)。磐梯山を望む沼には1周約30分の探勝路が整備されており、珍しい高山植物や自生する草木、鳥のさえずりを楽しむことができる。
紅葉の名所でもあり、上空から見た濃い青色の水面には黄色やオレンジ色に染まった木々が浮かび上がり、美しいコントラストをなしていた。展望台からの景色も絶景で、四季折々の表情が訪れる人たちを迎え入れる。
宮城・やくらいガーデン…咲き誇る秋のストライプ
宮城県加美町にある観光庭園「やくらいガーデン」では、なだらかな丘一面に秋の花々が色鮮やかなストライプを描いて咲き誇っていた。

園内に広がる約5ヘクタールの「ふるるの丘」では、サルビアやマリーゴールドなど約16万株がそれぞれ帯状に植えられている。
丘の緩やかな傾斜は空から見ても美しい立体感を生み出しており、鮮やかな色合いをより引き立たせていた。
福島・岩瀬牧場…トウモロコシの巨大迷宮
福島県鏡石町と須賀川市にまたがる「岩瀬牧場」のトウモロコシ畑には、夏限定で巨大迷路が登場する。
約1・2ヘクタールの広大な畑には、大人の背丈を優に超える高さ3メートルほどの飼料用トウモロコシがそびえ立つ。
来場者は全長約2キロにも及ぶコースを縫うように進み、ゴールを目指す。子どもたちに夏の楽しいひとときを過ごしてもらおうと、4年前から行われている。巨大ながらも精密に作られたコースが緑一面に張り巡らされていた。

宮城・出島大橋…構想40年、島民らの悲願の橋が開通
宮城県女川町の離島・

本土と出島の距離はわずか300メートルほどだが、これまでの交通手段は本土の女川港と島を結ぶ1日3便の離島航路に限られていた。
東日本大震災では、漁港近くに立ち並んでいた住宅が津波にのまれ、多くの犠牲者が出た。震災前は500人ほどだった人口も現在では約90人と、急激な人口減少も進む。橋の開通により、町中心部と車では約15分で行き来できるようになり、生活利便性の向上や交流人口の増加も期待される。
橋の構想計画が出てから約40年、島民らの悲願の橋が架かった。
