小松・アリーナ 年度内の着工困難に 北国FHDが見通し
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小松空港周辺に建設予定のアリーナ施設について、事業を計画する北国フィナンシャルホールディングス(FHD、金沢市)は「年度内の着工が困難になりつつある」という見通しを示した。建設費の高騰が理由という。試算を修正するのは2度目で、同社は計画の見直しを含めて検討する構えだ。空港周辺の活性化を目指す小松市の構想への影響も懸念される。

同社によると、アリーナの敷地面積は約5万5000平方メートルで、土地はすでに市から開発を担う不動産会社に売却されている。北陸最大級の1万人の収容規模を想定し、自社の女子ハンドボールチームの試合会場とするほか、商業施設も併設し、年180億~240億円の経済効果を見込む。
同社は資材費などの高騰を受けて、当初150億円としていた投資額を昨秋に280億円に修正。さらに直近の試算では当初の2倍以上となる約350億円としている。
杖村修司社長は4月30日の記者会見で、「想定以上のコスト高で、投資家の反応も考えると踏み切れない。決定ではないが、今期(2026年3月期)の着工は難しくなりつつある」と語った。プロジェクト規模の見直しを含めて社内で検討するという。
宮橋勝栄市長は1日、取材に対して「アリーナがあるかないかで地域に与える効果は大きく変わる。実現に向けて国や県とも協力して考えたい」と話した。