チャットGPTの米オープンAI、営利企業への転換を断念…AI開発で「利益より公益重視」

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 【ニューヨーク=小林泰裕】対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」を開発した米オープンAIは5日、営利企業への転換を断念すると発表した。営利企業化により、生成AIの開発に必要な資金を投資家から集めやすくする狙いがあったが、安全対策が後回しになるとの懸念が関係者から指摘されていた。

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者
オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者

 発表によれば、非営利組織が営利子会社を監督する体制を今後も継続する。これにより、非営利組織の判断の下、自社の利益よりも公益を重視したAI開発が可能になるとしている。

 サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は5日、「この体制の見直しにより、迅速かつ安全にAIを進化させ、すべての人の手に優れたAIを届けられるようになると信じている」との声明を発表した。

 オープンAIは2015年、人類のために安全なAIを開発することを目的に、非営利組織として設立された。AI開発に巨額の資金が必要となったため、24年12月、営利企業が主導してチャットGPTの運営や開発を行うことができるよう企業構造を転換すると発表した。

 しかし、創業者の一人である米実業家のイーロン・マスク氏が、設立当初の理念に反するなどとして、営利企業化の差し止めを求めて訴訟を起こした。24年にノーベル物理学賞を受賞したAI研究の第一人者、ジェフリー・ヒントン氏も営利企業化への転換に反対の方針を表明するなど、批判の声が高まっていた。

 オープンAIは今年3月、AI向けデータセンターの整備などのため、ソフトバンクグループなどから400億ドル(約5・8兆円)を調達すると発表した。この資金調達は26年早期までにオープンAIが営利企業に移行できなければ減額される内容となっている。今後、オープンAIのAI開発に影響が出る可能性もある。

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