米国の靴の老舗ブランド、コール ハーンが快進撃を続けている。2024年は日本市場で過去最高の売上高を記録。2025年3月には大阪に国内最大面積のブティックをオープンし、男女の顧客層拡大に取り組む。成功の要因は、現代のライフスタイルの変化と働き方の多様化に応じた機動的な商品展開だ。さらに今後、より多くのビジネスパーソンの足元を攻略するためには、どのようなアイデアが必要なのだろうか。コール ハーン アジア パシフィック バイスプレジデント兼コール ハーン ジャパンのジェネラル マネージャーを務めるライアン・ハートさんに聞いた。
大阪に新型旗艦店 すべてのアイテムを融合
――関西初の旗艦店となる「コール ハーン グラングリーン大阪」をオープンしました。売り場は190平方メートルあり、ゆったりしたサロンのような雰囲気です。クラシックなビジネスシューズからスニーカー、バッグまでがそろう複合店で、ブランドの歴史や進化がわかる店作りになっていますね。

ハイテク機能の構造などが紹介され、ビジネスからスニーカーまで多彩にそろう旗艦店「コール ハーン グラングリーン大阪」(大阪市)
「ここはコール ハーンにおいて最もプレミアムな位置づけのブティックであり、ストアコンセプトは『インライン2.0』といいます」
――『インライン2.0』とはどういう意味ですか。
「インラインは(セールやアウトレットではない)プロパー商品、2.0はソフトウエアなどで言うところのバージョンアップ、を意味しています。日本では2014年、東京・銀座に旗艦店を開きました。銀座も複合店ですが、それをさらにアップグレードしたのが『インライン2.0』です。メンズ、ウィメンズ、男女いずれにも対応するデュアルジェンダーの3つの部屋で構成し、すべてのアイテムを融合させたコンセプトストアです。2025年1月にオープンしたニューヨークに続いて、日本では大阪が初、アジア地域でも最初の店になります」

ニューヨークに次ぐ新型の旗艦店。小物やウエア類も充実させた(大阪市の「コール ハーン グラングリーン大阪」)